
回復期リハビリテーション病棟協会 第45回 研究大会 in 札幌に参加してきました
こんにちは。
有隣病院リハビリテーション室ブログ係です。
回復期リハビリテーション病棟協会 第45回研究大会 in 札幌に参加してきました。
2025年2月21日(金)と22日(土)の2日間、札幌コンベンションセンターで開催された「回復期リハビリテーション病棟協会 第45回研究大会」に参加してきました。今回のテーマは『Be ambitious! 学んで前へ~’24年度同時改定を力に変えるために~』であり、高齢化が進む現代社会におけるリハビリテーション病棟の課題や展望について、多くの示唆に富む内容でした。
大会長の橋本茂樹先生(札幌渓仁会リハビリテーション病院院長)からは、超高齢社会を乗り切るための3つのポイントとして、『社会的互助機能の推進』『共生社会への移行』『健康寿命の延伸』が示されました。また、地域包括ケアシステムの重要性や、重度化・多疾患化する患者さんへの対応力の強化、地域づくりにおける回復期リハビリ病棟の役割拡大について熱く語られ、強い志を持って取り組む重要性を改めて感じました。
基調講演では、地域医療構想におけるリハビリテーション病棟の役割や、地域包括ケアシステムにおける病棟の機能についての具体的な事例が共有されました。さらに特別講演や教育講演では、認知症患者との関係づくりを深めるユマニチュードの手法、DX(デジタルトランスフォーメーション)とリハビリ医療の未来像、リハビリテーションと薬剤の深い関係性など、多岐に渡るテーマで最新の知見や実践的な取り組みが発表されました。
また当院からは、「COVID-19院内感染対策におけるフェーズ別対応表を用いた取り組み」と、「回復期リハビリテーション病棟における実績指数40点以上取得の予測モデルの構築―入院時データを用いたロジスティック回帰分析―」の2演題を発表しました。
前者の演題では、新型コロナウイルス感染症に対して病院全体で統一された対応を迅速に実施するため、状況に応じたフェーズごとの対応を明確に示す対応表を作成・活用した具体的な取り組みを紹介しました。また後者の演題では、入院時に取得可能なデータを用いて、回復期リハビリテーション病棟における実績指数を予測するモデルをロジスティック回帰分析で構築し、その有効性を示しました。
他施設でも同様の課題を抱えているとの声があり、具体的な運用方法や導入プロセスに関する詳細な質問が寄せられるなど、参加者が直面する共通の課題に対して関心が示されました。
札幌で開催された今回の大会は、2020年に中止となった札幌大会のリベンジでもあり、多くの参加者の熱気で充実した2日間となりました。この貴重な学びを活かし、日々の臨床や地域活動に還元していきたいと思います。
有隣病院リハビリテーション室ブログ係